こんにちは、SkyWalkerです。賭けゲーム風マジック、オメガ・ベットを紹介します。
The Omega Betはカール・ファルブス氏(Karl Fulves)の作品ですが、後にボブ・ワグナー氏(Bob Wagner)が1992年の著書 “Master Notebook of Magic” の中で独自のアイデアを加えています(1)。
下記の現象はセルフワーキング・マジック事典のThe Omega Bet「究極の賭けゲーム」を参考にしています。
セルフワーキング・マジック事典 単行本 – 1999/7/1
松山 光伸 (著)
現象
演者は変わったギャンブルの話をします。カードの山の中に、1枚カードを表向きに差し込んでもらい、上から2枚ずつペアに配っていきます。差し込んだカードとペアになるカードが出てきますが、ペアのカードが差し込んだカードと同じ色の組み合わせになるか、違う色の組み合わせになるかを当てようといいます。
観客にパケットをカットしてもらい、トップから2枚のカードを表向きに出します。どちらか好きなカードをスプレッドしたパケットに差し込んでもらいます。演者はそのカードのペアが同じ色か、違う色かを正確に言い当てます。
何度か繰り返しますが、スプレッドではなく山のまま差し込んでもらったり、差し込むカードを裏向きにしたり、テーブルの下で操作をするなど、手がかりがないようにしますが、常に同じ色か違う色かを当てることができます。
最後は同時に2枚のカードを差し込んでもらいますが、差し込む前に結果を当ててしまいます。
マンスリーマジックレッスンのYouTubeに演技動画がアップされていました。
雑感
Vanishing Inc.のブログに紹介されていました。最近セルフワーキング・マジック事典を読み返していて、以前から気になっていたこともあり、まとめてみました。
上のブログを見ると分かる通り、数理的な原理がもとにあるトリックです。愛好家にはおなじみの原理を使っているのですが、とてもそのようには見えません。
数理的なトリックはよくわからない手続きがあるものもありますが、このトリックではあまり気になりません。コインを使って実際に賭けている雰囲気を出すので、演出も楽しいものになっています。
上のブログでも1つの演技が紹介されています。セルフワーキング・マジック事典より凝った演出になっており、当たりを同じ色にするか、違う色にするかを観客に決めさせることができますが、観客は当てることができません。
少し複雑なハンドリングと、覚えることが増えますが、相変わらずセルフワーキングで、演者のキャラクターによってはかなり盛り上がると思います。
興味がある方は上のブログを読むか、セルフワーキング・マジック事典に詳しい解説がありますので、ご参照ください。
最後に
セルフワーキング・マジック事典を読み返していますが、中学生の頃には流していたトリックも、読み込むとかなり面白く、ワクワクしながら読んでいます。機会があれば、紹介できればと思います。
セルフワーキング・マジック事典 単行本 – 1999/7/1
松山 光伸 (著)
参考文献
- セルフワーキング・マジック事典, 松山光伸, p29-35, 1999年, 東京堂出版.
2022年10月2日追記
mML33号の演技動画を紹介したところ、ゆうきさんがtwitterにてmML190号で改案した演技があることを教えていただきました。4:30ぐらいから演じています。
早速見たのですが、これ本当に良いですね。はじめは1枚をパケットの中から選んでもらったり、次に2枚にしたりして徐々に不可能性を上げていく構成は素晴らしいです。これはやりたくなります。
このトリックを演じたい方はぜひチェックしてみてください。
コメント