
始めに
今年(2026年)1月にX(旧Twitter)を眺めていると、ある話題が目に留まりました。
「レーダーデックコンプリートサポートパッケージ(by Motomiya)が発売されました」
ご自身を含めた数人のアイディアをまとめた冊子と、原案者であるリチャード・オスターリンドのDVDがセットになっているものです。早速プラスチックデック版を購入したのですが、大いに刺激を受けました。
レーダーデックはマジェイア氏がマインドパワーデックの紹介ページで触れていましたが、初めて原理を知りました。これ自体も面白かったのですが、マインドパワーデックも復習したくなりました。
ということで、今回はジョン・ケネディ John Kennedyのマインドパワーデック Mind Power Deckのご紹介です。レーダーデックも後日紹介できればと思います。
現象
観客は1人でも演じられますが、3人に対して行うものとします。演者は一組のトランプを取り出し、バラバラであることを示します。テーブルに広げ、見えているトランプから1枚を覚えてもらいます。
見て覚えただけなので手がかりは何もないはずですが、演者は観客が覚えたトランプを次々と当てていきます。
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初めて実演を見ると本物の超能力のようで驚きます。
このトリックの利点は何と言っても、始めにトランプを広げてバラバラであることを示せる点でしょう。
また、このトリックでは覚えることがあるのですが、カンニングペーパーが見えるところにあります。覚えるに越したことはありませんが、万が一忘れたときのバックアップがあると安心ですね。
元々このデックは専用のオリジナル柄を使っていました。それがいつからかバイシクル柄で売られるようになりました。見慣れたデックで演じられるのも大きな利点でしょう。
難易度
マジェイア氏は「このタイプのマジックが初めてでもなんとかなると思います」と書いていますが、それでもかなり難しい部類に入ると考えています。
選ばせ方だけでも、スプレッドしたときに見えているトランプを覚えてもらうように、セリフで強調する必要があります。
当て方も、ある程度流れを覚えていないとセリフがぎこちなくなります。手先の技術よりも、記憶力と台詞回しの技術は必要です。
個人的に一番気をつけなければいけないと思っている部分は、「心を読む」という演出をどうするかです。
フェザータッチマジックの「『テレパシーを受け取る』という演出」に書いてある「テレパシーキャッチ」が無難でしょう。心を読めるのではなく、伝えようとしてくれたイメージを何とかキャッチできる、という演出です。
読心術はうまくやればやるほど、「心が読めるなんて怖い、気持ち悪い」と観客に思われる危険性をはらんでいます。アマチュアが何よりも避けなければいけないのは、観客から嫌われることです。
上記のブログはこれらも含めて大変参考になります。
バリエーション
イギリスのメンタリスト、Darren BrownがStephen Fryに演じているバリエーションです。これも相当不思議です。
このデックを持っている人なら、やり方はなんとなく想像できると思います。
消失するだけでも十分不思議でしょう。アマチュアなら選ばれたカードを取り出さなくても良いかもしれません。
古くなったデックの使い方
私がこれを手に入れたのはもう20年ぐらい前になるのですが、さすがに古くなっており、テーブルにうまくスプレッドできなくなりました。処分しても良いのですが、よく出来たデックなので何かに使えないかなと考えていました。
レーダーデックの実演では、演者がデックを持ち、表を観客に向けて覚えさせていました。これを見て、マインドパワーデックもテーブルに広げなくても良いことに気づきました。
解説書を見直すと、確かにデックをファンにして覚えさせるという記載もありました。少し工夫すれば、古いデックでも十分使えそうです。
マジック界を円安が襲う
1997年のマジェイアさんの記事での値段は4,000円です。私が購入した20年前(2006年ごろ?)は確か4,800円でした。
それが今現在、日本で買うと6,500円ぐらいになっています。「元の値段が上がったのか」とVanishing Inc.を見てみると40ドルなんですね…おそらくドルベースで値段は変わっていないと思われます…
マインドパワーデックで円安を体感するとは思ってもみませんでした😂
最後に
このトリックはクロースアップ・パーラーセッティング、人数も1人〜数人まで見せることが出来ます。テーブルを使わなくても見せられますから、自分に合う演出が見つかれば、これほど便利なマジックはないかもしれません。

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