蓮は泥(でい)より出でて泥(でい)に染まらず
周敦頤『愛蓮説』より
2020年10月20日のJ-WaveラジオのJam the Worldで、Up Closeのコーナーにて、芥川賞受賞作家、中村文則氏と青木理氏の対談がありました。
中村氏が新刊「逃亡者」の内容に踏み込んだときに、上記の言葉を引用されていました。続けて、下記のようにおっしゃっていました。
蓮の花は汚れた場所でもきれいに咲き、汚い水を少しでも浄化させようとします。今回の作品も、この言葉に思いを込めています。
この社会は間違いなく悪くなります。しんどい社会になるけれども、その中でも何とか自分は汚れずに、自分を保っていけたらと思う。自分への戒めでもあるんですが。
中村文則(2020/10/20, Jam the World, Up Closeより)
3年前ぐらいから、自分の専門分野以外で、世界や日本の政治、経済、その他の情勢を勉強してみたいという思いから、毎週月〜木の19時からon airしているJam the Worldを聴くようになりました(注:2021年4月からJam the Planetに改題)。
最近はRadikoというアプリでタイムフリー機能を使うと、時間制限はありますが、ラジオがなくても24時間いつでも聞けるようになり、重宝しています。
聴き込んでいくと知識が増えて面白いのですが、同時にあまりテレビで報道されないようなニュースも知ることになり、逆にしんどいこともありました。
実に、知恵が多くなれば悩みも多くなり、知識が増す者には苛立ちも増す。
伝道者の書1:18(新改訳聖書2017)
日本はいわゆる戦争がないという意味で平和で過ごしやすい、とずっと思っていましたが、勉強していくと、世界に遅れをとっている分野、全く理不尽なシステムであるのに変わらない体制が徐々に見えてきて、軽く絶望することもありました。
それでも、まず知ることが出来たことに感謝し、そこから自分は何ができるのかを考えることにつながればと思っています。
中村氏の言葉は、未来に対して一筋の希望、励ましを与えるものでした。
周囲の状況がどのようであっても、きれいな花を咲かせ、少しだけ周りに良い影響を与えられるように生きることができれば、と思います。
コメント