我々の直面する重要な問題は、その問題をつくったときと同じ思考のレベルで解決することはできない。
The significant problems we face cannot be solved at the same level of thinking we were at when we created them.
アルベルト・アインシュタイン Albert Einstein
思考レベルの次元を上げる
いやはや、前回の記事から時間があいてしまいました。
4月から新チームになったのですが、6月からチーム編成が変わってメンバーが減ってしまったのですね。抜けたメンバーの仕事量が思いの外多く、私もプレイヤーとして働かなくてはいけくなりました。
私自身、プレイヤーとして働くこと自体苦ではないので楽しかったのですが、まあ忙しかったですね^^;
久しぶりに実地で働いてみると、若手の時に見えていなかったことが見えてきます(今も若手ですが)。以前はがむしゃらに効率だけ上げるにはどうするかを意識していたのですが、改めて業務をすると、
・そもそもこの業務は必要なのか。廃止したほうが良いのではないか
・このシステムだとミスが増えやすいので、違うシステムに変えたい
など、業務を遂行するレベルではなく、一つ次元を上にしたことを考えられるようになりました。少しは経験を重ねてきた成果でしょうか。
ただし、すぐに目に見える成果は出てきません。より根本的な問題にアプローチするので、今までのやり方で慣れてきた古参の職員とも対話をしなければなりませんし、別の理由で変えられないのかもしれません。
それでも業務が改善できる可能性があれば、粘り強く対話を重ねる必要があります。現時点で変えられなくても、変えられないことが分かっただけでも前進です。
変えられる可能性があることに気づくためには、自分の思考レベルを一つ上にしなければいけません。物事を俯瞰するには、どっぷり漬かっている世界から一歩身を引くことも重要です。
岡目八目とはよく言ったもので、当事者よりも傍から見ている人のほうが、物事の損得がよく分かることもあります(1)。あのドラッカーも、自分は観察者であると言っています。
これも落とし穴なのですが、俯瞰する立場を取り続けていると、今度は現場感覚から離れていく恐れもあります。上の立場になって思考レベルを上げすぎると、今度は現場の人間の感覚から乖離しすぎて、反発が起きることもよくあります。
ミクロとマクロの視点を常に行き来し続ける。そんな姿勢が必要なのですね。
補足
今回引用したアインシュタインの言葉は検索するとたくさん出てくるのですが、どうもアインシュタイン自身のオリジナルではなさそうです。元になった文章は、1946年5月25日のNew York Timesに掲載された記事(2)のよう。
1945年に日本に原爆が投下された1年後、核の脅威を大衆に周知させるため、原子力科学者による非常委員会 Emergency Committee of Atomic Scientistsをアインシュタインとレオ・シラードが設立し、20万ドルの寄付をつのるため、上記の記事を掲載しました。
その中の一節に、
We need two hundred thousand dollars at once for a nation-wide campaign to let the people know that a new type of thinking is essential if mankind is to survive and move toward higher levels.
この文章が後年、形を変えて引用された可能性があります。
興味がある方は、QuoraというサイトにPaul Mainwoodという方が書いた記事がありますので、ご参考まで。
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