【マジック紹介】ホーミング・カード(フランシス・カーライル)

こんにちは、SkyWalkerです。最近Twitterで真さん@allinthecards_が紹介してくださったマジックです。私自身も大変気に入っているカードマジックなので、これを機に記事にしてみようと思いました。

現象

観客に一枚のトランプを選んで覚えてもらい、一組の中に戻します。指を鳴らすと、ポケットの中に一枚トランプが入っています。表向きにすると、先程観客が選んだトランプです。

もう一度、選んだトランプを一組の中に入れて指を鳴らします。今度は観客にポケットの中に手を入れてもらいますが、確かに一枚のトランプがあります。表向きにすると、観客の選んだトランプです。

トリックとの出会い

もともとStars of Magicにフランシス・カーライル Francis Carlyleが発表したトリックです。私自身はマジックことはじめの記事でも触れている某大学奇術研究会の冊子で知りました。当時はまだ初心者だったので、とてもできませんでした。

その後、テレビで何人ものプロマジシャンがこのトリックを実演しているのを目にして、大変効果的であることが分かり、練習した記憶があります。

私が特に参考にしたのは、テレビで見た高橋ヒロキ氏の演技でした。確か中学生ぐらいでしたが、マジシャン同士がマジックを見せ合い、審査員の得点で勝ち上がっていく、当時としては珍しい番組がありました。その中で高橋氏が神田うのさんに演じていました。

このときの構成としては、3回観客のカードがポケットに飛行した後、最後に観客にポケットに手を入れてもらうとジョーカーが入っています。さらに確認するとポケットの中からデック一組が出てきます。マジシャンの手の中にカードが一枚残っており、それが観客のカードです。

これに触発されて、私も最後はデックごと飛ばす演技にしています。

そのほか、デビッド・ブレインもストリートで演じているのを見たことがあります。彼の演技はかなりダイレクトで、一回目に観客のカードが飛行した後、二回目すぐにデックごと飛ばしていました。やり方も原案とはかなり違っているようでした。

ポケットはズボン?ジャケット?

上述の高橋ヒロキ氏の演技では、ジャケットのポケットを使っていました。原案はズボンのポケットなのですが、当時スキニーのズボンだったので難しく、ジャケットを使用していました。

社会人になってそこまでスキニーパンツは履かなくなったので、ズボンのポケットで行ったり、冬にコートを着ているときにコートのポケットでやったりもしていました。

いずれにせよ、自分自身のスタイルに合わせて飛ばすポケットを変えられるのもいいところですね。

セットの問題

ポケットとデックがあればすぐにできるこのトリックですが、事前にちょっとした準備が必要です。

上述の奇術研究会冊子では、高木重朗氏の「不思議な入れ替え」(「トランプの不思議」より)から続けて行う方法が紹介されていて、長らくこの方法で演じていました。

トランプの不思議 復刻版: 現代カード奇術入門 単行本 – 2011/12/12
高木重朗 (著), 松田道弘 (編集)

ある時、ロベルト・ジョビーのカードカレッジ2巻にこのトリックのみを演じる方法が紹介されているのを見つけました。ポケットが空であることをあらためる動作で、セットを完了させてしまいます。これを読んでからは、単体で演じる場合はこちらの方法を使っています。

ロベルト・ジョビーのカード・カレッジ〈第2巻〉 単行本 – 2001/9/25
ロベルト ジョビー (著), Roberto Giobbi (原著), 加藤 友康 (翻訳)

演じたい方のために

もしこのトリックを演じたい方がいれば、カードマジック事典に「ポケットへ通うカード②」と題して載っています。前述のトランプの不思議にも解説されています。

カードマジック事典 新装版 単行本(ソフトカバー) – 2016/10/8
高木 重朗 (編集)

カードカレッジ2巻にもジョビーの改案が載っており、ここで最後にデックごと飛ばす方法も解説されています。ただ、カードカレッジの日本語訳は絶版となって久しく、手に入れにくいです。(そろそろスクリプト・マヌーヴァさんから再販されるのでは、と期待しています笑)

松田道弘氏のThe Way of Thinkingにも考察が載っています。

カードマジック・ザ・ウェイ・オブ・シンキング 単行本 – 2011/5/6
松田 道弘 (著)

また、プロマジシャンのゆうきさんがブログでホーミングカードに関して面白い話をしていました。演じる方のヒントになるかと思います。

4歳の娘にたまにマジックをリクエストされるのですが、カードマジックではこのホーミング・カードがもっともリクエストされるマジックです。普通のカード当てというより、はっきりした移動現象なので、子どもにも分かりやすくて楽しいからなのでしょうね。

クロースアップだけでなく、パーラーセッティングでもできますので、覚えておくと重宝します。

コメント

  1. […] そこで見つけたのが、某大学奇術研究会のカードマジック解説でした。今だとネット上に載せるのはいろいろ問題がありそうですが^^;、解説されていたマジックが「キーカードロケーションを使った脈当て」「Do as I do」「キングの絨毯」「テンカイムーブを用いた4Aトライアンフ」「シカゴ・オープナー」「リセット」「カニバルカード」「Three cards across」「ホーミングカード(フランシス・カーライル)」「マジシャン対ギャンブラー」など、今振り返ってみても名作と呼ばれる作品群ばかりでした。 […]

  2. […] ホーミング・カードの記事をtwitterで宣伝したとき、「トランプにサインをさせるかどうか」というご質問を頂きました。実はあの記事を書いているときも、サインをするかどうか書こうかなぁと思っていましたが、長くなりそうだったので割愛していました。 […]

  3. […] 同じく入っていた部活でも結局1回だけFrancis Carlyleの”Homing Card”を披露し、意外と反響が良かったのを覚えています。でもその後はやらず笑 シャイだったんですよね^^; […]

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