こんにちは、SkyWalkerです。
プロとアマチュアの「顔」の違いについてのお話です。
プロの顔
藤山新太郎氏のブログで、大変面白い記事(プロの顔)がありました。
まず上記の記事を少しだけ引用させていただくと、
プロの価値は、その顔にあります。プロの活動を3年も続けていると、何となくほかの仕事をしている人と違う顔つきになってきます。10年も続けていると、体中から雰囲気が香ってきます。これがプロの値打ちです。何もしていなくても芸能に生きていることがお客様にもわかるようになるのです。
世間のお客様はそんなプロマジシャンに接したいのです。決してカードを出して、一枚引いて、それを当てるからプロマジシャンなのではありません。そこにいるだけでマジシャンと思わせる人がマジシャンなのです。
目からウロコがボロボロ落ちました。他の箇所では「アマチュアで知識や技術があったとしても、他の職業の顔つきで、マジシャンではないことが観客にバレてしまうと、マジックの世界にすんなり入り込めない」と書かれています。
プロはやはり違うと驚嘆します。
アマチュアの顔
では、マジックを演じる場数が少ないアマチュアが、マジックを人前で演じるとき、マジックの世界は作り出せないのでしょうか?
もちろんそんなことはないと思います。
上記の部分で「顔つきがマジシャンではないとマジックの世界にすんなり入り込めない」とありましたが、アマチュアであることを観客がしっかりと受け入れていたとしたら、どうでしょう。
たとえ他の職業であっても「趣味でマジックをやっています」と公言し、楽しい雰囲気を観客と共有できていたら、虚構の世界を共に楽しむことはできると思うのです。
顔つきが他の職業でも、アマチュアの顔のまま、自然体で演技をすれば良いのです。
ただし、どのマジックをどのように演じるかは、その場のTPOを細かく感じるセンス、もしくは訓練が必要になります。
自分のパーソナリティにあったマジックを
SNSを見て最近思ったのが、アマチュアが演じるマジックの不思議さの度合いについてです。
プロマジシャンであれば、観客はお金を払って見に行くのですから、今まで経験したことがない不思議な現象が起こっても心の準備ができています。
しかし、趣味でやっているアマチュアがプロがやるようなネタをやったとしても、同じようにウケるとは限りません。逆に驚かせすぎると、演者自身のパーソナリティが疑われる危険性もあります。
マジェイアの魔法都市案内の箴言集の中に、Albert Goshmanが言われた言葉が紹介されています。
“You are the Magic!” (箴言集:ゴッシュマン)、自分自身のパーソナリティ=顔つきをマジックを通して見せているということです。
イスラエルのマジシャン、Yigal Mesika イーガル・メシカが
「どのマジックを演じるのか、それはその人のpersonaによる」
と言っていたのを思い出しました。
ポン太 the スミス氏もSpeakersの中で
「疑似魔法だからこそリアリティがいる。自分のパーソナリティと疑似魔法使いとしてのパーソナリティを考える。飛ぶことがふさわしいマジシャンもいるし、コミカルが似合うマジシャンもいる」
と言っています。
海外のマジックショップのレビューを見ると、
“I thought this trick would suit me.”
“This trick fits my persona.”
「自分のパーソナリティや演技スタイルに合っていると思ったから」
と言って買う人がまあまあいるんですよね。
もちろん不思議さも考慮してはいると思うのですが「自分に合うか」という視点でレビューをしている人を、日本ではあまり見たことがありません。
これだけあらゆるマジックが手に入れられる時代だからこそ、もう一度自分のパーソナリティに合うマジックを考える必要があります。
上記のブログはこの論点以外にも考えさせられる部分が多いので、是非一読をおすすめします。
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