【名言】両極を行き来する

経営者は、バランスの取れた人間性を持たなければならない。ただし、それは、中庸という意味ではない。ひとつの人格の中に、相反する両極端をあわせ持ち、局面によって正常に使い分けられる者こそが、バランスのとれた経営者なのだ。

(稲盛和夫:京セラ創業者)

稲盛和夫はJALの復興再生を成し遂げた、経営の神様といわれています。上記の文はネット上でしか見つけられず、下記が稲盛和夫OFFICIAL SITEにあるものです。

大胆さと細心さは相矛盾するものですが、この両極端をあわせもつことによって初めて完全な仕事ができます。

この両極端をあわせもつということは、「中庸」をいうのではありません。ちょうど綾を織りなしている糸のような状態を言います。縦糸が大胆さなら横糸は細心さというように、相反するものが交互に出てきます。大胆さによって仕事をダイナミックに進めることができると同時に、細心さによって失敗を防ぐことができるのです。

大胆さと細心さを最初からあわせもつのは難しいことですが、仕事を通じていろいろな場面で常に心がけることによって、この両極端を兼ね備えることができるようになるのです。

大胆さと細心さをあわせもつ/稲盛和夫OFFICIAL SITE

相矛盾することばかりではありませんが、仕事だけではなく、日常生活や趣味、スポーツでも、対極を行き来することがあると思います。

マジック界では数年前に「マジックの理論」が話題になりました。SNSでも様々な意見が飛び交っていて「理論は素晴らしい」とか、逆に「実践こそが大事だから理論は不要」といった意見も見られました。

私の考えとしては「どちらも大事」だと思っています。身も蓋もないかもしれませんが^^;

論理の裏付けのない経験はおしゃべりであって、

経験の裏付けのない論理は屁理屈(へりくつ)にすぎない。

ドラッカー(マネジメントの父)

車の両輪のようなもので、どちらが欠けても前に進めないという認識をしています。

テニスの四大大会通算優勝回数20回を誇るロジャー・フェデラーも、インタビューで次のように言っています。

(”Fire & Ice”の意味は?) 

優勝するには腹の中に燃えるような情熱が必要だが、 

神経は氷のように張りつめて集中する必要がある。 

冷静沈着が必要ということ。 

ロジャー・フェデラー

医学界でも有名なウィリアム・オスラーも「医学は科学に基礎をおくアートである」と言っています。

2017年に105歳で亡くなられた医師の日野原重明先生も、このアートに関して「医学の専門知識に加えて、リベラル・アーツ=教養として、芸術、音楽、社会学、心理学、行動科学などが不可欠です」(100歳・私の証 あるがまま行く 2011年11月19日朝日新聞)と述べています。

ニュースやSNSなどを見ていると、一方についてのみ議論している場面に出くわします。表から見えている部分と同時に、見えていない対極の部分を意識すると、少し世界が広がるかもしれません。

生き方
稲盛和夫  (著)

一つ一つの言葉に、はっとさせられる名著。
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コメント

  1. […] 以前の記事「両極を行き来する」でもドラッカーの言葉を紹介しましたが、理論と実践のどちらも重要であるということですね。 […]

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