はじめに
こんにちは、SkyWalkerです。
マニアな方はインビジブルデック Invisible Deckと聞いて「何をいまさら…?🧐」と思うかもしれません。私も何もなければ取り上げなかったでしょう。
たまたまX(旧Twitter)でつぶやいたところ、思わぬ反響を呼びましたので、まとめる意味で書いておきます。
現象
観客に「見えないトランプ」を一組渡し、よく混ぜてもらいます。その中から1枚トランプを選んで覚えてもらい、ひっくり返して元に戻してもらいます。あくまで想像上のトランプです。
演者は見えないトランプを受け取り、本物のトランプ一組を出してきます。トランプを広げていくと1枚裏向きになっているトランプがあり、それがまさしく観客が選んだトランプです。
実際に演じているアマチュアは少ない?
上手くやれば強烈なトリックで、プロでレパートリーに入れている人は多いですが、逆にアマチュアで演じている人を見たことはあまりないんですよね。
初心者の頃に購入して、何度か演じた後にしまってたりするのかなぁ、なんて想像しています。
かくいう私は当初Brainwave deckを先に購入していて、実際にインビジブルデックを手に入れたのは2019年頃で、まだ人前で演じたことはありませんでした。
認知負荷に関して
このトリックを取り上げたのは、最近このトリックを見る機会があったからです。
しかし年度末〜年度初めで忙しく、疲労がたまっている状態で演技を見ざるをえませんでした(そもそもそんな状態で見るなよ、とのツッコミはさておき…😂)。普段なら楽しめたはずが、見えないトランプを想像することに「めっちゃ認知負荷がかかっていた」のです。
あれ?これってカードに慣れていない観客にとっては負担になるんじゃないか…??
と感じたのが考えるきっかけでした。
つぶやいてみると…
Xで以下のようにつぶやいたところ、意外に反響があり驚きました。
楽しく演じる方、観客の負荷を理由に演じない方など様々な意見をいただき、勉強になりました。こういうところはSNSの良いところですね。
すべては紹介しきれないので、2つご紹介させていただきます。
たきさんの演じ方
マジックのパフォーマンス理論に関して積極的に発信されている、たきさんに引用いただきました。
私の中で認知負荷を軽減するのにどうすればよいか、思い切ってカードは覚えてもらわずにいられないか、と思っていたので、この説明を見て腑に落ちました。
たきさん自身もその後のツイートで”前提条件とこちらの意図を明確に伝えることが大事”と言っていました。
インビジブルデックって、箱に1枚だけではなくデックごと入ってる時点でただのカード予言ではなく、“状態の予言” だと思っています。
なので重要なのは3つ目の 「1枚だけ裏返して戻すパート」 、ここの記憶だけは死守したい!ということで、それ以外の負荷を状況に応じて調節するようにしています。
この部分が特に参考になりました。ぜひ全文を読んでみてください。
ビル・マローンの演出
鹿化人@linnemahouさんから教えていただいた、ビル・マローンBill Maloneの演出が面白かったのでご紹介します。
16:57ごろから”Standing Ovation Invisible Deck”として演技が見られます。
観客(デビッド)にマジシャン役をやってもらいます。見えないトランプを混ぜた後、別の観客に1枚引いてもらい、ひっくり返して戻してもらいます。
デビッドに見えないトランプを箱に戻してもらい、マジシャンに投げてもらうと、突然デックが出現します。
「もし先程ひっくり返してもらったカードと、このデックの中のひっくり返ったカードが一致していたら、デビッドに今までにないような拍手を!」
と言って、実際にデックを表向きに広げると、裏向きのカードが出てきて、まさにそのカードです。
これは観客の認知負荷が分散されること、最後に観客に華を持たせられるという意味で秀逸です。大変参考になりました。
また、この演技を見ると確かに「デックの中で1枚ひっくり返っている」ことをセリフで強調しています。
※実際の演技では「もし変な理由で一致していなかったら、デビッドをぶちのめそう!」とか言ってます笑
最後に
インビジブルデックはクラシックで指先の技術はほとんど必要ないのですが、ここまで考えられるのだなぁと面白かったです。マジェイアの魔法都市案内にも記事があります。
皆様の演技の参考になれば幸いです。
※一番最初にある画像は、最近セリアで見つけたミニトランプセットです。これでインビジブルデックができるわけではありませんのでご注意を^^;
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