背伸びして視野をひろげているうちに、背が伸びてしまうこともあり得る。それが、人生の面白さである。
城山三郎(「アメリカ生きがいの旅」より)
大阪で働いているときに、ものすごいジェネラリストがいました。多分野にわたっての知識があり、何を聞いても何かしら返ってくる、歩く辞書みたいな人でした。
自分より9歳年上でしたが、「同じ年齢になったら、私は果たしてこの人のようになれるのだろうか」と疑問に思う日々でした。
あれから4年、先輩とは会う機会はありませんが、あの強烈な印象は未だに残っており、自分が追いかけるべき背中として、今でも自分の目標です。
一芸、一分野の専門家スペシャリストは、その問題にはまったときは強いのですが、そもそも「その分野の問題か」を見極める能力が必要です。ましてや、複雑な問題が絡み合った現代では「その分野の問題だけを解決すればよいのか?その他に優先して解決すべき問題はないのか?そもそも解決すべきなのか?」を判断することが重要です。
上記の先輩は専門家に相談するときでも、自分の持てる知識からその専門家たちが答えに窮するような鋭い質問を投げかけていました。「実はこんなことが書かれてあるんだよね」と、専門家以外の視点から物事を捉え、質問する部分に関しては専門家よりも詳しいのでは?と思わせるときもありました。
こんなツイートも見かけました(元ツイートは削除されていました)。
大学時代に民俗学の教授が「1つ得意な分野でエキスパートになっても実は食えない。もう1つ特技があると途端に食える様になる」と言ってたが至言だと思う。
一芸に秀でるだけではなく、もう一つ視野を広く持って得意なことを伸ばすことが重要ですね。
アメリカ生きがいの旅 単行本 – 1984/3/1
城山 三郎 (著)
エッセイ風に仕事に関して書いている読みやすい本。
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