マジシャンのポン太・ザ・スミスさんがマジックに関することをしゃべるspeakersシリーズが好きで、Part.5の中の動画コンテンツの話が大変興味深かった。
2分43秒ぐらいから、若干言葉遣いを変えて引用してみる。
(動画コンテンツに関して、質が)下のものはがっと下がった。いや、上も下も両方増えた。数自体が増えている。
制作に対するインフラのメリットが無くなった。昔はL&L PublishingやA-1 Multimediaなど、撮影機材や編集機器の関係で、大きな会社で撮影するしかなかった。
いまでは誰でも制作できるが、良い面と悪い面がある。埋もれていた部分が出る点では良いが、フィルターが無くなってしまっている。
L&Lから出そうとすると、そこの責任者に認められなければいけないため、最低限の質がなければならず、フィルタリングが行われていた。
個人で出す場合、自分が良いと思うかどうかしか(判断基準が)なく、フィルターになっていない。とんでもないものがどんどん出てしまう。
フィルターの役目をするのが小売店ということになる。仕入れるものでとんでもなくしょうもないものは結構ある。
これは主にマジックの動画コンテンツに関する話だが、日常の様々な分野に当てはまる。
今やインターネットで検索すれば、あらゆる分野のあらゆる情報が手に入る。
この中から良いものを探し出すにはトレーニングが必要で、検索する側も審美眼を養わなければならない。ポン太さんがいう小売店が毎回あればよいのだが、ない場合は自分で判断するしかない。
個人的に心がけているものは、その分野の指南において信頼出来るコンテンツを探し出すことである。ここから数珠つなぎに良いものをたどっていける。
cf. ウクライナ侵攻「正しい情報」見抜くプロの読む力 「陰謀論、間違った情報」にだまされない秘訣
もう一つは、いわゆるその分野における古典から入ることである。時間という試練をくぐり抜けている作品や本は、ハズレが少ない。
cf. 古典についての考察
更にもう一つ付け加えるならば、信頼できる人に実際に会うことだ。
インターネットにすべての情報があると思いがちだが、実はネットに載っていない、もしくはなかなかたどりつけない情報が存在する。
その場合、自分で検索するよりも人に直接会い、会話の中から得られる貴重な情報がある。
長い間自分で考え、本で読んでもなかなか理解できないことが、その道の第一人者に会って数分話しただけで、その答えにたどり着けることがある。
cf. リベラルアーツ大学の情報収集に関する動画
供給過多とインスタント文化でも書いたが、時間は有限である。ふれるもの全てが質の良いものであることはなく、寄り道が必ずしも悪いことではないのだが、良質なコンテンツには触れ続けるべきであり、それを目指す姿勢は保ちたい。
cf. 「基準」となるもの
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